2022年12月7日
令和4年第4回定例議会において、次の項目の一般質問を行いました。
「農畜産業の振興対策について」(1) 肥料高騰対策事業について
▶︎質問
現在、急激な円安と不安定な国際情勢の影響で肥料、飼料などの高騰が続いている。農家の経営へのマイナス影響は計り知れない。本市としてどのような対応を考えているか伺う。
▶︎回答
本市については、肥料や農業資材などの物価高騰により事業活動に大きな影響を受けている農水産業者を支援するため、「旭市農水産業物価高騰対策支援金給付事業」を実施いたします。
また、市内において農水産業を経営する方を対象に、農業収入が50万円以上の方に10万円の支援金を給付します。なお、農業収入が50万円未満の方に対しては3万円の支援金を給付します。農水産業者の皆様に対し早急に支援が届くよう、事業の効果的な周知に努めていきたいと考えています。
国の肥料高騰対策事業については、農業事務所がJAや肥料販売店に対し、申請事務受付の働きかけを行っているところです。市としても出来る限りサポートしていきたいと考えています。
☝提案
物価高騰に対する支援事業、近隣市町と比較しても旭市の取り組みは事業者にとって心強いサポートであろうかと思います。
長期的に見て懸念されるのは支援事業の必要性は理解しつつも、あくまでも対処療法的なものではあると、一方で考えます。
本市として考えなければならないのは、コストを抑えるため、地域の中で生産できる肥料や飼料の割合を、効率的に高めて行きく施策を進めていただきたい。
(2) 飼料用米の取り組みについて
▶︎質問
本市は、全国でも先進的な地域で、積極的な取り組みを行っている。それは本市が単に農業生産力が高いだけでなく、耕種農家と畜産農家のバランスが取れているという要因がある。本年の飼料米の取り扱い実績と3年間の推移を伺う。
▶︎回答
令和4年度の飼料用米の取組面積は754haで令和3年度は598ha、令和2年度は428haとなっています。取組面積が増加している要因は、米価下落による作付転換が主なものと考えられます。
▶︎質問
飼料用米に対する助成金制度がこの取り組みを後押ししていると思うが、一方で、農家からは補助金の減額や、そもそもこの取り組みがいつまで続くかによって、取り扱いの減退を危惧する声もあるが、市としての今後の取り組みへの考えを伺う。
▶︎回答
飼料用米等への取り組みに対しては、国、県、市の三者による支援が実施されているところです。・市では、引き続き飼料用米等への作付転換を推進するため、生産者や利用者に対し支援を継続していきたいと考えます。
また、稲作農家の経営所得安定対策には国・県の支援が重要だと考えますので、機会を捉え国や県に対し経営所得安定対策に繋がる支援の継続を働きかけしていきたいと考えます。
▶︎質問
この取組をさらに充実させるためには、その利用者の拡大も必要。飼料用米の生産者、その利用者の数を伺う。
▶︎回答
令和4年度の飼料用米の取り組みは、753.6haで約4,785トンが生産されております。なお、生産者数は190件、利用者数は20件となっており、ここ数年増加傾向にあります。
(3) 耕畜連携の取り組みについて
▶︎質問
本市での、飼料作物の栽培実績と、本市における助成金制度と今後の取り組み計画について伺う。
▶︎回答
本年度、水田を活用した飼料作物の取組は3件で2.9haとなっており、内訳は、主に牛の飼料となる青刈りソルガムが2件で1.9ha、青刈りトウモロコシが1件で1haです。
飼料作物に対する主な支援は、国の戦略作物助成で10a当たり35,000円、県の飼料用米等拡大支援事業で10a当たり5,000円となっています。引き続き飼料用米を中心とした作付転換を推進し、米価下落対策を進めたいと考えています。
▶︎質問
本市の耕畜連携、循環型農業への今後の取り組みについ伺う。
▶︎回答
水田で生産された粗飼料作物等の供給を受けた家畜の排せつ物から生産された堆肥については、現在、国の交付金の対象となっていることから、水田に供給することにより資源を循環し、耕畜連携を図っています。
本市では、飼料用米への作付転換を特に推進しており、市内にある飼料用米の生産者と利用者の協議会を活用して、飼料用米の市内循環に取り組んでいます。
現在、国の交付金の対象となっていない飼料用米の供給を受けた家畜排せつ物の堆肥については、ペレット化への取り組みもはじまり、市内での資源循環が徐々に増加してきていることから、循環型農業の取り組み事例として、国や県に対し積極的に働きかけをしていきたいと考えています。
▶︎質問
本市における、水田の高度用について、「基盤整備事業が完了している水田」における、飼料用稲等の二期作・二毛作について伺う。
▶︎回答
米収穫後の粗飼料作物等による二毛作について、まず、WCS用稲は、二番穂の活用や極早生品種と極晩生品種の組み合わせにより取り組みは可能なようですが、千葉県の気温等の気象条件では収量性が低下するため、労働力や農業経費の問題から取り組みは難しいと考えます。
麦などの秋まきの牧草を水田で栽培することについては、圃場整備が行われている水田であっても排水の点で課題があります。
なお、技術的な課題の他、WCS用稲や牧草などの飼料作物の栽培については、収穫に専用の機械が必要なことなど、取り組みを誰が担うのかという点においても課題があります。これらのことから、地域において取り組みを検討した経過は無く、取り組みが容易で地域の特性に合った飼料用米を推進しているところです。
☝提案
水田の汎用化で一番の課題は、排水の問題。千葉県の水田の課題でもある。圃場整備が終了している水田でも、すでに暗渠機能が低下したり、乾田化できないとも聞いています。
ホールクロップや、牧草などの飼料作物の収穫には、大型の機械を導入して、作業委託組織は現在もすでに実働しています。さらに拡大することも可能だと思います。ただ、課題は機械の導入費については助成制度もあるが、かなり高額なものになるのも事実です。
本市としても、こういう前例のない農業の厳しさへの対応として、新しい技術の検討、関係機関と連携して考えてゆかなければならないと思いますし、粗飼料作物の拡大にもぜひ力点を置いていただきたい。
技術は日進月歩、必要が技術を高めてゆくのだと思います。水田の汎用化、裏作利用も、技術的な問題はあるにせよ、検討から外すことなく情報を収集していただきたい。
(4) 耕作放棄地の対策について
▶︎質問
耕作が行われていない、また、耕作栽培の予定もない、放置されている農地が本市でも増加している。本市における耕作放棄地、荒廃農地の現状と近年の推移について伺う。
▶︎回答
現状、毎年新規の遊休農地が、農業委員会の農地利用最適化推進委員による農地パトロールで発見されている状況です。要因としては、高齢化による労働力不足、土地の条件が悪く農地の受け手がいないこと等が考えられます。
近年の面積の推移については、令和元年度末の78.9ha対して令和3年度末では75.3haとなっております。
▶︎質問
農地を放置することによって雑草、雑木が生えたり、害虫が発生したりすると病害虫の問題もある。十分な管理が行われず周囲の迷惑になったり、さらには景観の悪化や、周囲の農地への悪影響になったりします。
イノシシなどの野生動物が耕作放棄地をエサ場するようになり大きな問題。耕作放棄地を拠点とすることで、周囲の農作物被害も起こっている。そして、農地への再生には多大な労力を要するようになってしまう。助成制度を含め、さらに進んだ対策についてどう考えるか伺う。
▶︎回答
耕作放棄地を再生するための助成制度については、千葉県耕作放棄地再生推進事業を活用し農地再生の取組を支援してきましたが、令和3年度で終了したことから、本年度は市の単独事業で耕作放棄地の再生作業に係る経費の一部を支援しています。
また、耕作放棄地を増やさないために、農地の担い手への利用集積、水路の草刈り等地域の共同活動による多面的機能支払交付金の活用等を推進しております。
▶︎質問
貸し手と借り手をつなぐ「農地中間管理機構」の役割に期待するところが大きいが、このような耕作放棄地に対する「農地中間管理機構」の対応は十分に機能しているか伺う。
▶︎回答
農地中間管理機構の行う事業については、離農したり、規模を縮小する農家から農地を借り入れて、その農地を担い手の農家に貸付けし、農業経営の規模拡大や農地の集約化を促進することを目的にしています。
しかし、農地中間管理機構は、申し込まれたすべての農地を借り入れるわけではなく、農地として利用することが困難な農用地等は借り入れることができない場合もあるようです。
今後、農地中間管理機構が農地の集約化等を進めていくために、遊休農地解消事業を新設し遊休農地の有効利用を検討していることから、遊休農地の解消が進むことが期待されているところです。
▶︎質問
農用地区内にある優良農地は、専業の農家によって規模拡大されてゆくが、条件の悪い農地を今後どう取り組んで行くのかが課題になる。
これからは、耕作放棄地が増加する要因として、この資材の高騰、費用の増大などの影響で、農家をやめる人が増えて、耕作放棄地が増加することが懸念される。
住宅地まわりや、面積の小さい農地、条件の悪い農地、特に水田は放棄される傾向にあり、また、借り手も見つからないのが現状。
これは、ただ単に農地をどう守るか?ということだけでなく、地域の環境保全対策面からも、防災の面からも新たな包括的な対策が必要だと思うが、市の考えを伺う。
▶︎回答
耕作放棄地についても個人の財産であることから、まずは所有者が適切に管理していただくことが基本であると考えております。
しかし、個々のやむを得ない事情により適正に管理することが困難な場合もあろうかと思います。
市としては、多面的機能支払交付金をはじめとする国の交付金を活用して地域ぐるみで保全活動を推進するとともに、今後新設される農地中間管理機構の遊休農地解消緊急対策事業の活用により、耕作放棄地の発生防止及び削減に努めて参りたいと考えています。
☝提案
現在、このように、肥料・飼料が高騰している中で、耕畜連携が求められている。
「耕作放棄地を利用して、飼料作物生産を拡大・活用する」
という、畜産農家の取り組みも始まっています。様々な条件が整っている、本市においては、この恵まれた地域資源をしっかりと循環させる施策を、進めてゆく必要がある。
旭市だからこそ、取り組むべきこと、「耕畜連携」、それをさらに進めるためにも、「放置された耕作地」への対策を考え併せながら、本市の農業振興のために、農業の基盤強化、環境、防災、福祉、様々な組織、機関との連携を、包括的に積極的に、進めて行くことを強く要望します。

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